屋形船の歴史は平安時代にまでさかのぼることができ、貴族の舟遊びに用いられていたと言われています。それが現在はすっかり観光としての利用が主な目的となっています。特に船の中での食事を楽しみに乗船する人が多いようです。
■全盛期を経て衰退後観光目的で復活した船現在の屋形船はその大きさは全長20mくらい、定員は15人から80人くらいまでとなっています。操船と調理をする場所以外は大半が客用空間とないて、屋根と座敷が備えられた和船の一種です。最も盛んだったのは河川の整備が進んだ江戸時代で、大名や豪商などにお花見やお月見、花火見物などの遊びとして利用されていました。
特に東京にある川の船は金銀、漆塗りの装飾でとても豪華だったそうです。この全盛期がすぎるとだんだんと衰退し始め、時代の移り変わりとともに文化も移り変わり、水質汚濁による河川の劣化などで勢いはすっかり失ってしまいました。
それが復活し始めたのが、昭和末期のバブルの頃で、水質の改善とともに観光などに利用されることも増えていったようです。
船に乗って川からの景色をながめることは、日常的に行われていることではありません。普段見慣れている景色も、違う角度から見るとまるで雰囲気が異なることも多いかもしれません。船に乗り、いつもとは違う景色を堪能しながら食事や宴会も楽しむことができる船は全国にあります。
そして川だけでなく海や湖でも乗船できる場所もたくさんあります。その場所独自の特色や楽しみ方がありますが、船の数としては東京が多いと言われているようです。
やはり全盛期が江戸時代だっとということから、その名残を受け継いでいるとも言えるのではないでしょうか。最近は全国各地からの観光に来た人の中にこの船に乗りたいという人が増えているようです。
屋形船の利用は乗り合いもありますが、ほとんどが貸し切りとなっています。東京でも例外ではありません。近隣のホテルの宿泊パックなどに組み込まれていたりバスツアーでは乗船が予定に入っているものも多いようです。
また、旅行のツアーではなくても船宿に直接申し込むこともできます。船内で食事をする予定になっていることがほとんどとなっています。昼間の乗船はお花見、夜は夜景の観光や花火などのコースが多いようです。船に乗っている時間はだいたい2時間から3時間で、ゆっくりと食事や希望すればお酒も楽しむことができます。
船宿は隅田川周辺や品川近辺に多くあり、乗船場所ももちろんこのあたりになります。